祖母の死 1 [人物スケッチ]
祖母の死 1
1981.03.08 / 335×242㎜ 鉛筆
昔の人はよく歩いた。交通の便が悪くバス停までしばらく歩かなければならない。そして本数が少ない。
小さい頃に見た祖母の記憶として刻み煙草を煙管でのんでいた。確か丸い缶に入っていたもので銘柄は桔梗だったと思う。
その祖母が亡くなったのはかなり前になる。一人での生活が長い所為か気丈であったが、亡くなる前は施設に入っていた。亡くなる2、3日前の寝入った姿を2枚スケッチした。
亡くなるその日までオムツを頑なに嫌い自身で排泄をしていた。その数日前に手洗いにいった際によろけて額を打ってあざになっていた。その祖母が静かに息を引き取ったのはスケッチをした4日後の朝で本当に潮が引くように逝った。そして、手足の先からゆっくり冷たくなった。行年84歳であった。
できれば私もかくのように去りたい。
タグ:祖母の死
2020-03-03 19:06
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